教会月報 巻頭言

2023年11月・12月​​​​​​

どのように愛したらいいでしょう

ダニエル 李 昇倫 神父

 愛について説明した文がありました。

 「良いものを見ると思い出すのが愛です。
 良い服を見ると思い出すこと、それが愛です。
 美味しいものを食べたら一緒に食べたくなり、良い景色を見たら一緒に見たくなり、
 良いことがあれば、ここにその人と一緒にいたくなると思うこと、それが愛です」。

 シンプルに愛を表現した文だと思います。

 愛は遠いところから複雑で大げさに現れるのではなく、いつも触れ合う日常から、シンプルで素朴に訪れるものであることを教えています。

 「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」
(マタイ 22:37)、
「隣人を自分のように愛しなさい」
(マタイ 22:39)。

 イエス様が私たちにくださった最大の掟は、神様への愛と隣人への愛です。

 では、神様をどのように愛したらよいのでしょうか。
そう問われると、神様と一緒にいるとはどういうことかさえ曖昧になってきます。

 しかし、神様はいつも私たちと一緒にいるのですから、そんなに大げさに複雑に考えることはありません。
ただ良いものを食べる時に感謝し、良いものを見る時に感謝し、良いことがある時、神様を思い出して賛美すること、それが神様への愛なのです。

 また、神様への愛は隣人への愛によって完成されます。
神様が私を愛してくださっているように、神様は私たちの隣人を愛しておられることを覚えておく必要があります。

 それゆえ、私の隣人への愛は神様の仕事への光栄な参加になります。

 終わりが見えない蒸し暑い夏が過ぎ、朝晩はかなり肌寒い風が吹いています。
冷える体のように、隣人を愛する心まで冷えているのではないか、心配です。

 隣人を美しく眺められるまで愛すること、それが、神様が造ろうとされている私たちの完成の姿ではないでしょうか。