2021年12月
初心
ダニエル 李 昇倫 神父
皆さん!!
初心(しょしん)を覚えていますか?
新しい年が明けて、一年を良く過ごすため自ら念押しをした初心。
新しい学校に入学してこれから共にする友達を見ながら持った初心。
就職して新しい職場に出勤した日の朝、鏡の前でときめきながら立っていた自分自身の顔を見て持った初心。
まだ覚えていますか?
この世に生まれ、私の指を握っていた小さな赤ちゃんの温もりを感じながら持った新しい人生?命?に対する初心。
恐れもありましたがときめきがもっと大きかった洗礼式(秘跡)の時、神様の前で持った?誓った?初心。
今朝目覚めながら新しい一日を与えてくださった神様に感謝して持った初心。
皆さんは覚えていますか?
私たちは毎瞬間、全てのところ(席)で初心を持ちます。
しかし、その初心を覚え続けることは決して生易しいことではありません。
私たちが歩んで行く人生という道は、真っ直ぐに、そして正しく伸びている平地だけではありません。
時には高低差が激しいでこぼこな道も、また近づきたくない茨の道も、そして思ったより大回りするようになる(遠回りさせる)くねくねと曲がった道もあります。
しかし、私たちが人生という海の上で迷子になってしまった時、私たちの道を照らしてくださる灯台、つまり、あらゆる出発点で自ら決めたその初心を思い出せば(記憶すれば)、私たちはいつでも最初(初め、元)に戻ることができます。
私の知り合いの中に、自分自身の初心を今までただ一瞬も忘れず(完全に)守って来られた方がおられます。
その初心のため蔑視され、時には漫罵(まんば)され、また無視され、殴られたこともあります。
しかし、自分の初心を忘れず、いつもその場で私たちを待ってくださいます。
もしかすると、街の派手やかな灯りに隠され見ることのできなかったあの方のお姿、楽しいキャロルに遮られ聞くことのできなかったあの方のみ声……。
今度のクリスマスはあの方のお姿とみ声に自分の目を開き、耳を傾けたらどうかと思います。
2022回目で変わることのない初心を持って、もうすぐ私たちのところに来られるあの方のため、各自の心に小さな飼い葉桶を置く席を備えてみたらどうかと思います。
たまにはあなたを忘れてしまう私たちにもかかわらず、相変わらずそういう風な私たちを気遣ってくださるあの方の初心に感謝を捧げます。
主の嬉しいご降誕おめでとうございます。