教会月報 巻頭言

2020年2月​​​​​​

ゆるしの秘跡は必要であり有益である

グエン・シン・サック神父

 今回は、カトリック儀式書から「ゆるしの秘跡」を参照し、紹介します。

 個人の生活においてと共同体の生活において、罪によって受ける傷には様々な違いがあるのと同様に、回心によってもたらされるいやしもまた多様である。
大罪によって神の愛の交わりから離れた人は、ゆるしの秘跡を通して、失ったいのちを取りもどす。
小罪に陥り、日々自分の弱さを体験する人は、ゆるしの秘跡に繰り返しあずかることによって、神の子らの豊かな自由に達する力を得る。

  1. ゆるしの秘跡がもたらす救いの恵みに浴するためには、いつくしみ深い神が定めてくださったとおり、内的な反省(心の糾明)をした上で、覚えているすべての、また個々の大罪を、あわれみ深い神の定めにより司祭に告白しなければならない。
  1. さらに小罪だけであっても、この秘跡にたびたび熱心にあずかることは非常に有益である。
    それは、単なる儀式の反復でも一種の心理的訓練でもなく、イエス・キリストの死をわたしたちの身に帯びることによって、ますますイエスのいのちがわたしたちのうちに現れるように、絶えず洗礼の恵みの完成に励むことだからである。
    回心者は、小罪の告白を通して心を改めるとともに、より深くキリストに似るよう、また聖霊の声により注意深く従うよう、特に努めなければならない。
    この救いの秘跡が、キリスト信者の生活全般に根をおろし、神と兄弟への奉仕に駆り立てるものとなる時、その真価が発揮されるであろう。
    教会はゆるしの秘跡を執り行うことによって自らの信仰を宣言し、キリストがわたしたちを解放して自由を与えてくださったことを神に感謝し、キリストと出会う日を待望しつつ、自己の生活を霊による奉献として神の賛美のためにささげる。

 ゆるしの秘跡は非常に有益な秘跡ですから、皆さんもぜひ、この秘跡の恵みに与ってください。