教会月報 巻頭言

2019年1月​​​​​​

ベトナムのお正月

グエン・シン・サック神父

 明けましておめでとうございます。
昨年は色々な出来事を通して神様のお恵みを感謝致しました。
今年も皆さまの上に神様が祝福を与え、健康と平和がありますように心よりお祈り申し上げます。

 ベトナムのお正月は日本とはまるで異なる雰囲気です。
ベトナムのお正月は「テト」と言います。
テトは旧暦に基づいて決められますので、毎年変わりますが、大体1月後半から2月半ばまでの間に当たります。

 ベトナムでは、テト休みは一番長い休みです。
長い連休なので国内外で仕事する人も多いですが、やはりどちらかというと、どんなに忙しくても帰省して田舎で家族と過ごす若者がほとんどとなります。

 テトが近づくと、テトの花などの飾り物とお菓子、果物が、道でたくさん並んで売られます。
それを見るだけでテトの雰囲気をいっぱい感じられるほど、街がとても賑わいます。
テトの前には家族みんなで大掃除をしたり、家の中の飾りつけをしたり、料理の準備と買い物をしたりします。
大晦日には家族そろって教会へ行き、一年間のお恵みを感謝しながら聖体礼拝を行っています。

 元旦も家族そろって教会へ行き、ミサに与ります。
その時は一人ひとりが聖書のみ言葉を引いて、一年間の「道連れのみ言葉」とします。
ミサが終わった後、家族のみんなで一緒にワインを飲んだり、少し食べたりして、お祝いします。
そして、お年玉を渡す習慣もあります。
基本的には、祖父母、親から孫、子どもへ、赤や金色の袋に入れて贈ります。
元旦にお年玉をあげる習慣はずっと前からありました。
今年も良いことがありますようにと願いをこめて、贈るのです。

 その後、子どもが親戚や近所の家にお祝いに行きます。
テト元旦から3日までは親族訪問、近所訪問、先祖のお墓参りなどをします。
元日は父方の祖父母の家に兄弟、孫たちが集まって一緒にお祝いします。
2日は母方の祖父母の家でお祝いします。
3日は子どもたちが先生の家を訪問し、いつも熱心に教えていただいていることに対する、感謝の気持ちでクラスの皆が集まって一緒にお祝いします。

 ベトナムのお正月はとても賑やかで雰囲気も温かいです。
テトを通して家族の皆が食卓を囲んで談話をしたり、一年間の疲れを癒したりして、愛の絆が深く結び付きます。