教会月報 巻頭言

2017年4月​​​​​​

キリストの受難と復活

ペトロ 梅原 彰 神父

 今年の復活徹夜祭の中で16人の方が洗礼の恵みを受けられます。
心よりおめでとうと申し上げます。
私たち共同体の仲間が増えることは大変嬉しいことです。
最後までキリストの光に照らされ、信仰を全うされるようお祈りします。

 私たちは復活祭の喜びを味わう前に四旬節を過ごします。
キリストは私たちの救いのために苦しみ、十字架につけられ、いのちを犠牲にされるほど私たちを愛してくださいました。
私たちはキリストを思い、心を痛めます。

 私は2年前、2回目の膵臓がんの手術を受けた時に腸閉塞になり、2回目の開腹手術を受けました。
ちょうどその時、水も飲めず、もちろん何も食べられず、点滴だけで40日を過ごしました。
ちょうど四旬節と受難節の時でした。
私はキリストが荒れ野に退いて、40日40夜、祈りと断食のうちに過ごされたことを思い起こし、これはお恵みだと思いその苦しみを受容しました。
今は退院でき、生かされていることを感謝しています。

 教会も四旬節受と難節を経て復活祭の賛歌を歌い、40日ぶりにアレルヤを力強く歌うのです。
キリストは死に打ち勝って復活されました。
今も復活されたキリストは、私たちとともに日々を過ごしてくださっているのです。
私たちは喜びと感謝のうちに、生きておられる復活の主との出会いを体験できるのです。
復活したキリストの姿は時間や空間を超えたものです。
弟子たちはキリストが本当に生きているということを復活したキリストから知らされたのです。

 パウロは「キリストは、わたしたちの罪のために死に渡され、わたしたちを正しい者とするために復活させられた」と書いています。
キリストは復活して40日後に昇天されましたが、この世との関係を断って遠く離れたところへ行かれたのではありません。
キリストは最後の晩餐で「わたしは去っていくが、また戻ってくる」と言っておられます。
復活したキリストはこの世で人々とともに生活した時以上に、ずっと身近で、現実的な存在として、現在も私たちと一緒に人生を歩んでくださっているのです。