教会月報 巻頭言

2017年1月​​​​​​

マリアとともに歩みましょう

ペトロ 梅原 彰 神父

 1月1日は神の母聖マリアの祭日です。
マリアを神の母と呼ぶのは、イエス・キリストには神性と人性が合体し、交わりあっているからです。
神性と人性が一致合体しての人格(ペルソナ)なのです。
マリアが生んだのは、神としてのペルソナを持ったキリストです。
これがマリアを神の母と呼ぶことのできる理由です。

 神はマリアを通して人間性をとられ(ご托身・受肉)、その人間性は懐妊の瞬間、神の子のペルソナに一致されたのであり、その結果、マリアから誕生したイエス・キリストは神の子のペルソナの真の誕生と言えるのです。

 教会はエフェゾ公会議(431年)を開いて、マリアが神の母であることを信仰箇条として宣言しました。
その時以来、マリアが神の母であるという信仰は否定されることなく、信者の心に生き続けてきたのです。
私たちはこのような素晴らしい神の母に守られて、信仰の道を力強く歩むことができるのです。
大天使ガブリエルから神の母になるという知らせを受けた場面は、フラ・アンジェリコやレオナルド・ダビンチなどの画家によって描かれていますが、皆さんも見たことがあると思います。

 アヴェ・マリアの美しい音楽は私たちの心を清めてくれます。
マリアの生涯を思う時、まずこの受胎告知、神のお告げの場面を思いだします。
ルカ1章26~38節に詳しく書かれています。
マリアが神の子の母に選ばれたという驚くべきメッセージが告げられた時、マリアが戸惑ったのもよくわかります。
しかしマリアは「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」と答えたのです。
マリアは大天使の言葉に驚いたことでしょう。
どうしてそんなことが?
私はまだ結婚もしていないし、力も経験もない私に何ができるのでしょうか。
そのような思い、悩み、戸惑いがマリアの心に迫ってきたことでしょう。
しかし、マリアは大天使と言葉を交わしている間にはっきりと悟ったのです。
自分にとっては苦しい道になるかもしれないけれど、これは神が私に託される使命である、と。
マリアには、神からの語りかけがはっきりとわかったのです。
大天使が答えたように、神におできにならないことは何もない。
神が私を選んでくださったのなら、私はそれに応えるほかない、と。
こうして20歳にもならないマリアが、キリストの母、神の母となられたのです。

 マリアの生涯は数々の悲しみや苦しみを経験して、神に仕える者となられたのです。
私たちも、このマリアの強い信仰と愛による奉仕の生き方を学び、マリアを仰ぎ見ながら、この一年をマリアとともに歩んでいきましょう。