教会月報 巻頭言

2016年4月​​​​​​

ご復活おめでとうございます

ヨセフ 赤波江 豊 神父

 皆さんご復活おめでとうございます。
今年も復活祭と桜の季節が重なり、気持ちよく復活祭を迎えることができました。
でも、桜の季節って短いですよね。
私も毎年桜を楽しみながらも、桜の散るのを見るたびに、自分の体力の減退していくのを感じます。
体の故障も年ごとに増えてきます。
そのようなとき、私はよく鍼灸師さんのお世話になります。
治療を受けながら、鍼灸師さんからよくツボの話を伺うのですが、例えば、首や肩、腰などが痛いとき、意外なところにツボがあるのですね。
よく肘から下、膝から下などの体の末端部分に根本的なツボがあると聞きます。
首や肩、腰が痛いからといって、そこだけを治療するのではなく、そのような部分と一見関係がないような部分を刺激して、体全体の血流をよくして治療するのが鍼灸なのですね。

 私がこのようなたとえを使って何が言いたいかというと、やはり共同体にもツボがあると思うのですね。
教会にも社会と同じように様々な問題があります。
でも、何か問題が生じたとき、そこばかり議論していじくっていたら、ますます問題がこじれて、収拾がつかなくなることがあります。
そのようなとき、その問題と一見関係がないようなところを押さえてみてはいかがでしょうか。
例えば、ある問題についてさんざん議論した後で、ちょっと気分を変えましょうということで、一緒に食事して、楽しく飲んでいるうちに、いつの間にか問題が解決したことがよくあります。
要は問題が生じたとき、あまりそこばかりいじくらないで、少し見方を変えた方がいいということです。
私は子どもを育てるのも、共同体を育てるのも全く同じだと思うのですね。
子どもは欠点を正すだけでは成長しません。
もちろん欠点を正すことは必要ですが、それ以上に、褒めて励まして勇気づけないと子どもは本当に成長しません。
教会も同じで、問題を掘り起こして正すことだけに没頭していたら、みんな気が重くなってやる気も失せてしまいかねません。
教会も叩きだせば際限なく埃が出てきます。
悪い点はしばらくそっとしておいて、まず教会の様々な良い点にしっかり目を留め、それをどんどん伸ばして行きましょう。
そうすれば教会全体の血流も良くなって、悪い点もそれに自然と吸収されると私は信じています。
個人の生き方も、教会の生き方も同じで、何事もプラス志向で歩みましょう。

 4月から教会の評議員も改選されます。
新評議員の皆さん、教会の良い点にしっかり目を向けてください。