教会月報 巻頭言

2015年11月​​​​​​

教皇のプロフィール

コーナン・ミシェル神父

 小学校の3年生の時、教会学校で教皇様という方がカトリック教会の最高責任者としてローマに住んでいることを教わりました。
うちの主任司祭は黒いスータンを着ているし、また教区の司教様は赤いスータンなのに、教皇と言われる方は白いスータンを着ていて驚きましたし、写真からの想像だけで、彼は威厳に満ちて、怖い方だろうと思い込んでおりました。

 神戸港に来る船乗りの司牧を担当していた折、浜尾司教様と海の人の司牧に関する国際会議に参加する機会に恵まれました。
初めてのローマでした。
その時、浜尾司教様と一緒に偶然パウロ6世に出会ったのです。
しばらく日本の教会について話し合いをしました。
生きておられる生の人間であり、あふれ出てくる落ち着いた神秘的なエネルギーに、また、日本の司牧を祈ってくださっていることに深い印象を受けました。

 その日から私には教皇様たちの講話あるいは書かれた文書が身近に感じられるようになったのです。
聖ペトロの後継者であり、神の僕たちの僕と呼ばれる教皇様たちの回勅には、生きておられるキリストの言葉が現代を生きる私たちに励ましとしてほとばしり出ています。

 現在のフランシスコ教皇様は、意味深い話もなさいますが、キリスト者の生き方について、とても具体的でわかりやすい基準を示してくださいます。
教皇様は度々、聖ペトロ大聖堂の前で、参列者の中に入り、赤ちゃんを抱き、子どもたちにキスし、皮膚病で外見的に恐ろしい顔をもつ身体障害者をも抱いたりして、神様の心ある慈しみ深さを態度で示してくださいます。
愛は行動を伴うものだということが、微笑みとともに伝わってきますよね。

 最近、キューバを訪問された時、その貧しさをご覧になって、無関心にならず、積極的に救いの手を差し伸べていくように勧められました。
その時、国連総会で、人間の命の尊さを尊重するように話されました。
全宇宙にある命を大事にするよう、環境問題にも言及され、共通善を重んじて、格差社会で弱い立場に置かれた人々を励まし、世話をするようにと願われているのです。

 きたる12月8日から来年の11月20日までを教皇様は〈いつくしみの特別聖年〉にされました。
カトリック中央協議会のホームページの教皇関連情報のインデックスには、フランシスコ教皇様の一般謁見などの演説やお説教、メッセージが読めるようになっています。
いつくしみの特別聖年公布の大勅書「イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔」(2015/4/11)や「いつくしみの特別聖年のための祈り」(2015/10/8)など、目を通してみてはいかがでしょうか?