教会月報 巻頭言

2014年10月​​​​​​

十月はロザリオの月

主任司祭 梅原 彰

 ロザリオの祈りは古くから、キリスト信者たちに親しまれ、好んで唱えられた祈りです。
救い主イエスとその母マリアの主な喜び、苦しみ、栄えの神秘を黙想しながら、アヴェ・マリアの祈りを繰り返し唱える信心業です。
マリアとともにイエス・キリストによる救いの神秘を思い巡らし、父なる神に賛美と感謝を捧げながら唱えるのです。

 一人で、家族で、また教会の仲間とともに祈ることができます。
この祈りは個人的に歩きながら、また台所で調理をしながら、寝る時にも、どこででも唱えてよい庶民的な祈りです。
ロザリオは子どもから大人まで、病人になっても唱えられます。
喜びの神秘は月・土、苦しみの神秘は火・金、光の神秘は木、栄えの神秘は水・日に唱える習慣があります。
20の神秘の黙想ごとに、主の祈り1回、アヴェ・マリアの祈り10回、栄唱1回を唱えます。

 当教会の祭壇奥にあるステンドグラスには、マリアが出現し、ドミニコにロザリオを与えている光景があります。
札場筋に教会が始まった時、ロザリオの聖母に献げられました。ロザリオの創始者は聖ドミニコと認められています。

 前々世紀から前世紀にかけて、聖母マリアの超自然的干渉ともいうべき出現があります。
フランスのルルドとポルトガルのファティマで起こったご出現は教会からも公認されています。
そしてこのご出現がロザリオの祈りと結びついております。
ファティマにおいてはルチア(13歳)とフランシスコ(9歳)とヤシンタ(7歳)の三人の牧童にご出現され(1917年)、
「罪人のためにお祈りをしなさい。たくさんお祈りを唱え、また犠牲を捧げなさい。誰もあの人たちのために愛の犠牲を捧げてくれる者がないからです」。
また第16回のご出現の時には「私はロザリオの聖母です。私が参りましたのは、信者たちが生活を改めねばならないこと、恥ずかしい罪を犯してイエスの聖心みこころを悲しませないこと、またロザリオの祈りを唱え、罪を痛悔し、償いを果たさねばならないことを人々に知らせ、励ますためです」。
1858年には、ルルドの田舎町に住むベルナデッタという少女にロザリオの祈りのうちに聖母マリアがご出現になりました。
18回も出現され、いつもロザリオの祈りをするよう要請されたのです。

 歴代の教皇もロザリオの祈りを唱えるよう呼びかけておられます。
私たちも聖母マリアの願いに応え、今月は特にロザリオの祈りを唱えましょう。