2012年2月
フランス事情
コーナン・ミシェル神父
昨年3年ぶりにフランスに休暇で帰った。
50年も会わなかった侍者会の友人の自宅で、日・仏の社会変化について意見交換をした。
私は神戸港に上陸した時と現在の日本の社会が変わったことを説明した所、彼は現在のフランス社会の傾向について話してくれた。
先ず、若者の結婚。
伝統的な教会での結婚式はあるが、市役所届けだけ或いは届けさえせずに結婚生活をおくる人は増えるばかり。
その上、2年3年夫婦の生活をして別れてしまう傾向も強いらしい。
次に司祭について。
彼の住んでいる小さな町では司祭はそれほど忙しくない。
昔は、伝統的に村ごとに信徒たちは日曜日のミサに与ったが、年を取り教会まで足を運ぶのが難しくなった。
若者は毎日曜日来ない。
さらに、司祭に昔のような小教区のマネージャーの責任はない。
司教団の方針で、ミサ・秘跡のような司祭職が要求される責任以外、小教区の運営・聖歌隊・教会学校・社会福祉・祈りの集い・ミサなしお葬式などの責任は信徒たちの手にある。
地方では、数か所の司牧をする司祭が殆どだが、責任者と言うよりも奉仕者と呼んだ方が良いかもしれない。
こうした風潮の中、信者として結婚講座を受け、深い準備をして、その後教会或いは社会で、信仰をもって証する若者も育ってきているらしい。
また、青年たちが月一回ミサを準備し、誰でも参加できるミサは、活気があって、喜びにあふれていると聞いた。
フランスの教会は変わってきた。
聖霊の働きか?
教会離れに対する清めの恵みか?
私が受けた印象として、司祭は昔のような社会的義務がなくなって、ミサなど喜びにあふれた信仰の行為のみに関わるように変わってきたという強い印象を受けた。
でも、慣れていないから、フランスで“変な外人”だった!