教会月報 巻頭言

2012年1月​​​​​​

呼びかけよう
一人でも多くの人に

ペトロ 梅原 彰 神父

 新年明けましておめでとうございます。
昨年は東日本大震災による大きな犠牲者が出て、重苦しい一年でした。
今年は少しでも被災者が希望をもって前向きに歩んでいけるよう協力していきたく思います。
経済界は不景気で政治も混乱し、明るい光はなかなか見えて来ません。
しかし私たちキリスト者にとって、こんな時こそ、ちょっと立留まって、人生の生き方を見直すチャンスにしたいと思います。

 今年は聖堂建堂80周年、教会誕生90周年の節目の年です。
この記念の時にあたって聖堂耐震工事も一月から始まり、色々な企画が進められています。
私たち夙川教会は二千人の信徒がいますが、残念ながら教会から遠ざかっておられるか、信仰から離れた方々も大勢おられます。
私たちはその方々が何故教会に来られなくなったのか、まず私たち自らが反省しなければなりません。
私たちの冷たい言葉や態度が躓きを与えたのではないでしょうか。

 ある方は教会に行きたくても、病気や高齢のため行くことができない状態の方もおられます。
ある方は自分が元気でも家族の中に病人や高齢者をかかえ、その世話に縛られている方もおられます。
ある方は生活苦のため日曜日も働かざるを得ないのです。
私たちはこのような方々に同情せざるを得ません。

 私たち教会共同体みんなが自分の地区の方々に関わっていくことを今年の目標にしたく思います。
そのためには一人の地区の信徒が教会に来られていなければ、声かけをして関心を持つことです。
代父や代母の方々も自分の役割を自覚して、受洗した方に暖かいアプローチが必要です。
そのために手紙や電話、メール等を使いましょう。
もしできれば家庭訪問もしてあけてください。
地区集会を地区委員の方は積極的に持ち、信徒同志の横の繋がりを大切にし、信徒間の情報も密にしていただきたく思います。
キリストは「百匹の羊を持っている人がもし一匹の羊を見失ったならば、九十九匹の羊をそこに置いて、見失った一匹の羊を探しに行く。」と教えられています。
この言葉は司牧者である司祭に云われたことばですが、同時に共同体である兄弟姉妹に対しても当てはまります。
その意味で教会から離れている人を一人でも多く迎え入れることができますよう努力しましょう。