2009年11月
諸聖人の祝日を迎えて
梅原 彰 神父
11月1日は諸聖人の祝日です。 教会には長い歴史の中で、聖マリア、聖ヨゼフ、聖ペトロ、聖テレジア、日本26聖人、コルベ神父等有名な聖人は山といます。 こうした聖人は教会の権威をもって、聖人としてあげられた人々です。 そうした聖人は帰天した日を中心に記念して祝われます。
ところで天国に旅立った人はみな聖人です。 その中には世の注目をひいた徳のある人もおられます。 しかし大部分の聖人はその名も、その聖徳も人々から知られず、ただ神様のみに認められて天国に旅たったのです。 教会はそうした方を一緒に諸聖人としてお祝いするのです。 そして私たちも彼らの模範に倣うよう励ますのです。
諸聖人の中にはあらゆる民族、種族、国民、あらゆる職業や階級、あらゆる年齢の人がいます。 清貧な人、柔和な人、慈悲ある人、謙遜な人、正義を愛する人等その優れた徳を放っておられることでしょう。 天国に行かれた聖人は例外なく、神の意思、望みを生きた人々です。 その中にはキリスト者のみならず仏教徒や他の宗教を信じていた人も大勢おられることでしょう。 しかし知ってか、知らずかは別として、例外なくイエズスの十字架の願いを受けての救いです。
私は天国にいる聖人は植物園に咲いている花に似ていると思います。 ひまわり、チュウリップ、バラ等の花も美しいですが、たんぽぽ、すみれ等小さな花も美しいです。 天国の聖人たちはお互いを称えあっているのです。
聖アウグスチヌスは己を励まして「聖人聖女も人なら私も人である。彼らに出来たことがどうして私にも出来ないことがあろう。」と云っています。 私たちキリスト者もこの気骨をもって生きたいものです。 私たちは誰からも認められなくても、褒められなくても、キリストの教えられた道をしっかり歩めば天国に旅立ちできるのです。 聖人になることは難しいことかも知れません。 しかし出来ないことではありません。