2009年10月
神の愛のしるしー病室からの再発見
コーナン・ミシェル神父
“主よ、苦難の襲うとき、私が呼び求めれば、あなたは必ず答えてくださるでしょう”(詩86,7)という詩篇の意味を、先日の長い入院生活のうちにゆっくり深める機会を与えられた。 リスクのあった手術も無事におわり、リハビリ中勝手な動きをした心臓も危機を乗り越えた。 感謝!
勿論皆様がたくさんの祈りを捧げてくださったから、そして外科と内科の先生のありがたい腕のおかげ。 しかし、それだけではない。私は病者の塗油の秘跡を受けた結果だったともしんじている。 すでに3回目になるのだが。私の叫びにイエスさまは秘跡を通して答えてくださった。 イエアウさまがご自分の復活の力に与るように秘跡という形を残してくださったことをこのたび私は心底感じいったのだ。
さて、病室ではまだ動けない時、TVを時々見た。 驚いたのはCMがどれほど多いかということと、その伝えたいメッセージの説得力のうまさだった。 すべて、最高だ・今こそ買うべき時だ・あれもこれも買えば日々の生活が変わるでしょう・と。 人生をよりよくするために買いたいという欲求をそそられる消費主義のこの社会。 しかし、この欲求は満ちることなくおしらく際限ないだろうし、それによって、心満たされるのは一瞬で命の喜びを与えてくれるものではないことに、いつ、どのように気がつくのだろうか。
渇くことのない心の癒しが、実はイエスさまとの親しさの仲に隠れていることを私たちは忘れがちではないだろうか。 秘跡はイエスさまの愛の力。 私たちの人間の期待以上の優れた恵み。 ご遠慮なく、ご聖体拝領をはじめ、必要に応じて和解の秘跡と病者の塗油などの“消費者”になりましょう。 私たちの叫びに対する主の愛の答えの感謝すべき現在のしるしなのだから。 (詩篇86参照)