教会月報 巻頭言

2008年11月​​​​​​

ペトロ岐部と187殉教者福者に列福される

 1549年8月15日、フランシス・ザビエルが鹿児島に上陸し、キリスト教の種が全国に播かれました。
小西行長・高山右近等のキリスタン大名も輩出し、日本は破竹の勢いでキリスト教徒が誕生していきました。

 しかし、それも束の間、豊臣秀吉が禁教令をスタートし、徳川家康の厳しいキリスト教迫害が全国各地に広がり、宣教師は国外に追放され、教会は破壊されました。
キリスタンは捕えられ、拷問を受け、棄教を迫られたのです。

 しかし、多くのキリスタンたちは信仰を棄てることなく、生命を棄ててまで信仰を守ったのです。
教会は神を信じたために迫害され殉教した人たちを、キリスト信者の模範と呼んで、福者や聖人という称号を与え、尊敬しています。

 実は、今月24日、長崎で188人の方が福者になられます。
ヴァチカンから教皇特使が来られ、列福式が日本の各教区司教と多くの司祭、信徒の参列のものに行われます。

 北は東北米沢53人、江戸2人京都52人、大坂1人、広島3人、萩・山口2人、小倉・大分・熊本18人、有馬8人、長崎西坂4人、天草1人、生月3人、八代11人、薩摩1人、合計188人の殉教者です。

 188人のうち司祭が4人、修道者1人、あとの183人は信徒です。
その中で女性が60人、20才以下の子どもが33人、そのうち5才以下の幼児が18人もいます。

 私たちは188人の殉教者の壮絶な殉教の姿を知り、現代の私たちが彼らから学ぶためにも、その事実を知ることが大切です。

 キリスト教が禁止され、苦しめられても、毅然とした態度で、キリストに対する信仰を貫き、キリストを証ししたのです。
私たちも彼らの殉教の精神を学び、神の証し人となれるよう努めましょう。

 下記の本を推奨します。

  • 「ペトロ岐部と一八七殉教者」
    日本カトリック司教協議会列聖列福特別委員会編
  • 「恵みの風に帆をはって」
    (ペトロ岐部と一八七殉教者物語)
    列聖列福特別委員会委員長
    高松教区司教 溝部 脩 監修

 

梅原 彰 神父