教会月報 巻頭言

2007年4月​​​​​​

いのちは死より強い

 カレンさんは妊娠した時、3歳の息子、マイケル君が新しい兄弟に慣れるためにいろいろの工夫をしました。
特に、毎晩、マイケル君がお母さんのお腹に向かって「You are my sunshine」という歌を歌うようにしました。

 いよいよ出産の日が来ました。
けれども生まれた女の赤ちゃんには問題がありました。
心臓の状態がとても悪くすぐ死ぬかもしれないという状態でした。
カレンさんとご主人にとってこのニュースはとてもつらいことでした。
あきらめざるをえなかったので、葬式のための準備を始めました。

 けれどもマイケル君は生まれた妹さんのために歌いたかったので、毎日繰り返しそのことを両親にお願いしました。
ある日、カレンさんは妹さんがすぐ死ぬかも知れないので、マイケル君に妹さんのために歌わせることにしました。
しかし、病院に行くと看護婦さんは、子供が集中治療室に入ることは禁止しているとカレンさんに伝えました。
カレンさんは看護婦さんに厳しくこう言いました。
「歌わない限り帰らない」。
その後許可が出て、マイケル君を連れて集中治療室に入りました。

 マイケル君は妹さんが生きるために闘っているのを見ると、すぐに歌い始めました‥
「You are my sunshine,my only sunshine,you make me happy when skies are gray…」
〔あなたは私の光、私の唯一のひかりです。あなたは空が曇っている時も私を喜ばせる…〕

 歌を聞いてすぐ妹さんが反応した。
心拍が落ち着きました。
カレンさんと看護婦さんは泣きながらマイケル君が歌い続けるのを支えました。
「You never know,dear,how much I love you.Please don't take my sunshine away.」
〔どのように愛しているのか知らない。私の光を捨てないでください。〕
妹さんの容態は完全に落ち着きました。

 次の日マイケル君の妹さんは退院しました。
新聞によるとお兄さんのラブソングの奇跡でした。
カレンさんによると神様の愛の奇跡でした。
お医者さんによるとただ奇跡でした。

 復活祭の意味はまさにこれです。
愛する人を諦めないで、いのちは死より強いからです。

ジョヴァンニ 神父